骨壺に納める木札への筆耕
先日、骨壺の中に納める木札への筆耕のご依頼をいただきました。
ご先祖様のお名前や戒名、没年月日などを、
薄い木札に毛筆で記すというものです🙏
今回の木札は、地震などで万が一骨壺が破損した際にも、どなたのご遺骨なのかを確認できるように、骨壺の中に納めるものということでした。
骨壺の中に納められるため、わずか縦9cm以内に収まるよう、小さい文字での木札への筆耕となりました。
文字の大きさや配置を考える必要がありました。
まずは実際の木札に試筆を行ったところ、墨滲みが💨
特に今回は、小さな文字を数多く記すため、少しの滲みでも文字が読みにくくなってしまいます。
滲みを抑えるための下処理を施し、乾燥させながら、その工程を何度か繰り返しました。
墨の濃さや筆の選択にも気を配り、できる限り一文字一文字が明瞭に読み取れるように進めました。
実際に取り組んでみなければ分からないことも多く、私自身にとっても大変勉強になる経験でした。


その都度、丁寧にお返事をくださり、こちらの相談にも温かくご対応くださいました。
完成後には、実際に骨壺へ納められたお写真までお送りいただきました。
こうして納められるのだと、私自身も初めて目にしました。

昔から人は、文字を通して思いを伝え、その時代の出来事や暮らしを記録し、後世へと残してきました。
私たちが今、何百年、何千年も前の人々の暮らしや考えに触れられるのも、文字として残されてきたものがあるからだと思います。
そして、今回のようにご先祖様のお名前を記し、次の世代へと残していくことも、ご先祖様を敬い、その存在を大切に受け継いでいくことにつながるのではないでしょうか。
普段から書に携わっていながら、今回のご依頼を通して、文字を残すことの意味を改めて考える機会をいただきました。
何よりも、大切なご先祖様のお名前を残すお手伝いをさせていただけたことを、大変光栄に思っております。
ご依頼主様には終始温かく接していただき、ホームページへの掲載についても細やかなお心遣いをいただきました。
このような貴重なご縁をいただけたことを、心より感謝しております。
この度は、大切な筆耕をお任せいただき、誠にありがとうございました。

