年長さんのひと言に、教えられた日

最近、お母さまから

「お年玉で硯を買いたいと言っていて…」

と教えていただきました。

年長さんの口から出てくる言葉としては、

なかなか渋いチョイスで、

思わず胸がじんわりあたたかくなりました。

 

毛筆のお稽古のときは、

必ず墨を磨り、

筆を洗い、

片づけまで含めて「書のお稽古」と考えます。

そんな日々の中で、

今日のお稽古で、忘れられない出来事がありました。

毛筆のお稽古のあと、

年長さんと、小学3年生が並んで

シンクで筆を洗っていました。

ふと見ると、足元に墨が少しこぼれていて、

「どちらか、こぼしちゃったかな?」と声をかけました。

シンクの位置的にも、

正直、どちらがこぼしたのか分からないような場所でした。

そのとき、

硯を持って洗っていた年長さんが、

少し考えてから、

「私かもしれないから、私が拭く!」

正直、

大人でもなかなか言えない言葉だと思います。

「自分かもしれない」と受け止めて、

自然に体が動いたこと。

こんな言葉が自然に出てくることに、胸を打たれました。

その様子を見ていた周りの子たちも、

「はっ」としたようで、

一緒に墨を拭いてくれました。

字の上達はもちろん嬉しいことですが、

それ以上に、

その子らしさが、ふと光った瞬間に立ち会えたことが、

この日、私にとっては何より嬉しい出来事でした。

墨に触れ、

道具を大切にしながら、

自分の行動に向き合う。

その子が日々の中で積み重ねてきたものが、

今日のあの一言につながっていたのだとしたら。

この仕事を続けていてよかったと、

改めて感じさせてもらった一日でした

 

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